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序章4~町長~


 ――翌日。

「さあっ、冒険の夜明けだ!」

 あおとは一人、力強いガッツポーズを見せた。

「まずは町の人から情報を集めて、町長さんに会おうね」
「……うーむ」
「どうしたの、あおと君?」
「いや、町長さんってどんな人なのかなって」

 この疑問に対して、みあは思い出すように言う。

「港町アマシーネの町長さんは、一族で代々やってきているんだよ。その性格は、常に豪快というか、不思議というか……」
「つまり……変人って事?」

 みあは苦笑いを浮かべる。

「人によっては、そうやって言うかもね」
「変人か~。何だか会うのが楽しみだな~」
「とりあえず出発しようか?」
「そうですね。……でも、みあさん」
「どうしたの?」
「どうせまた戻ってくる予定ですし、荷物は置いといて大丈夫じゃないですか?」
「それもそうだね」

 あおととみあは、必要最低限の持ち物を装備して、宿屋を出ていった――。
 宿屋の外へと出ると、まだ朝の早い時間だという事も関係なく、ドール達の賑わう姿が確認できた。
 そのあまりの活気は、見ているだけで笑顔になってしまう。

「本当に凄いなあ。僕一人だったら、この空気に飲まれていたかもしれないよ。みあさんがいてくれて助かったよ!」
「ふふふ。私も初めてこの空気を知った時は、色々と焦っちゃったよ」
「みあさんは、ここには何回か来た事があるんですよね? アマシーネの事について、割と知っている風ですし」
「うん、まあね。何年前だったかは忘れちゃったけど、過去に来た事があるんだよ」
「本当に心強いなあ」

 雑談も程々に、あおとは町のドールに話を聞く事にした。

2013082014420000.jpg
「あの、すみませーん!」
「はい?」

 話しかけた相手は、優しそうな眼鏡美人だった。

「僕達は……えーと旅人なんですけど、この町の町長さんのいる場所を教えていただきたいんですが……」
「僕達……?」

 眼鏡のドールは、くいっと眼鏡の位置を直す。

「……ああ! 町長さんのいる場所は」

 2013082014430000.jpg
「あっちですよ。このまま真っ直ぐ歩いていけば、大きな建物が見えてくるはずですから」
「ありがとうございます!」
「いいえー。気をつけてくださいね」
「はーい!」

 教えられた通りに進んでいくと、他の建物の二倍以上はありそうな建物が見えてきた。
 さすがは町長というべきなのか、非常に派手な外観だ。

「本当にどんな人なんだろう」
「建物のセンスなんかも、代々のセンスがあるよ」
「もう会ってみるしかないね」

 扉の前に立ち、軽くノックをすると、すぐに「はーい」と女性の声が聞こえてくる。
 女性といっても、声質はどこか幼い印象を与え、大人の女というよりは女の子の声が近い。
2013082015010000.jpg
「何か御用ですか?」

 女の子の印象というのは、決して間違っていなかった。
 何故なら、出てきたのは本当に可愛らしい女の子だったのだから。

「あ、いえ、町長さんですか?」
「違いますよ。私は町長のお世話係をやっています」
「じゃあ、町長さんはいますか?」
「いますよ。ちょっと、お話してきますので、少しだけ待っていてもらって良いですか?」
「それは勿論!」
「では、どうぞ。中でお待ちください」

 お世話係の女の子に、中へ通されると、あおとは一息ついた。

「可愛い女の子だったね」

 今まで黙っていたみあが、ふいにそんな事を言ってくる。

「う、うん、そうだね」
「あおと君の好み?」
「え、いや、いきなり好みとかなんて……あの子に失礼じゃないですか!」
「あら、可愛いって言われて、嬉しくない女の子は少ないと思うけど」
「そういう事じゃなくてー!」

 あおとは顔を真っ赤にして言った。
 それから、お世話係の女の子が戻ってきて、町長の許可が下りた旨を伝えられた。
 ほぼ一本道だったが、案内してくれるらしいので、あおとは指示に従いついていく。
2013082015100000.jpg
「では、案内はここまでです」
「どうもありがとうございます」
「いえいえ、これも仕事の内ですから。……でも、一応は気をつけておいてくださいね」
「え、何にですか?」
「さあ、何にでしょうね」

 そう言って、女の子は来た道を引き返してしまった。

(扉まで開けてくれないんだ)
「あおと君。早く入ってみようよ!」
「う、うん、そうだね。ちょっと緊張してくるなあ」
「うふふ、大丈夫だよ」

 ノックしてみると、今度は大人っぽいけど可愛らしい声が返ってきた。

「――どうぞ、入りなさい」

 お世話係の女の子の、柔らかくてくだけた感じとは違い、町長はお嬢様という印象を受ける。
 代々に渡って町を統率してきているのだから、お嬢様というのも過言ではないわけだが。

「失礼します」

 あおとは恐る恐る部屋に入っていく。

「……っな!?」

2013082015110000.jpg
「――私は世界で、一番美しくて可愛らしい」

 それは、まさに衝撃という言葉がぴったりだった。


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2012/10/17 ドールデビュー!
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☆ブログ内の主な登場人物達
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撮影は2014/7/18よりNikon COOLPIX P100を使用。

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