起章5~新しい装備~

 男とみあは、カシワザキ森林へと入った。
 大した目的があるわけではなかったが、西側の大陸へ渡る前に、しっかりとレベル上げをして、大事に備えたかったからだ。

「みあは良いなあ。回復魔法が使えるんだもんな」
「そんな事ないです。私は、たくさんの魔法を勉強しましたけど、使えるようになったのはたったの二つだけなんですから……」
「それでも凄いって! それに、それだけの勉強をしたのなら、レベルが上がれば使えるようになるかもしれないじゃないか!」
「……そうだと、良いんですが」

 森林内のドールは手強く、経験値を集めていくにはなかなか良い場所だった。
 アマシーネを基点に、数日間に渡り二人でレベル上げをした結果、レベルは2も上がった。
 男の言っていた通り、みあはいくつかの新しい魔法を習得する事ができた。
 しかし、カシワザキ森林の探索の結果は、何もレベルアップだけではない。

「何だろうな、これ?」
「うーん……。一般的に見る金属ではなさそうですね」
「あ、やっぱり? 金属である事に変わりはなさそうなんだけど、不思議な事に重さを感じないんだよ」
「重さを感じない金属……?」
「そうさ。しかも、俺の目利きに間違いがなければ、硬度も鋼鉄と同等か、あるいはそれ以上だな」
「勇者様。いくらなんでも、そんな材質の金属があるわけないですよ。言っている事が本当なら、それは魔法の金属という事になります」
「あははっ、それもそうだ!」

2013091418170000.jpg

 二人はこの後、アマシーネから西側の港町――スイートツーへ向かった。
 この魔法の金属が、オリハルコンという金属だと知るのは、そう遠くない未来の話になる。

 あおとは、武器・防具屋を探して歩いていた。
 ただでさえ大きな港町だ。そこから店を探すというのも、決して簡単な作業ではない。
 どうやら、スイートツーには何件かの店が存在するらしく、道行くドールに話しかけ情報収集してみるものの、大抵は一般ドールの素人考えだったりする。
 どの情報にも有力なものは無く、あおとは諦めて、最初に見つけた店にするという妥協をした。

(……とはいっても、見つからないんだよねえ)

 歩き続けて三十分が経過しようとしている。
 ユズハを待たせてしまっているという焦りもあり、歩調は無駄に速くなっていく。
 だが、焦ったのも束の間、賑やかな店主の声が耳に入り、そこへ走っていくと武器・防具屋を発見する事ができた。
 はたして、良い店なのだろうか?

「すみませーん! 品物を見せてもらって良いですか」
「どうゾ! ウチのお店は何代も続いている由緒正しいお店ですヨ!」

2013091510490000.jpg

 訛りがあるような独特な口調の店主だった。
 品物を見せてもらうと、武器や防具だけではなく、いわゆる小物まで扱う幅のある店だった。
 微妙に胡散臭かったが、何代も続いているという言葉は本当のようだ。

「うーん、迷うなあ……」
「おすすめの武器ハ、マジックサーベルだヨ」
「マジックサーベル?」
「これサ」

2013091510550000.jpg

 店主は白い棒状の物――マジックサーベル――を取る。
 サーベルと名が付いている割には、刃の部分が無い。

「これハ、自身の魔法力を媒介にしテ、刃を形成する武器でス」

 そう言うと、実際に刃部分を出してみせた。
 独特な未来的な音と共に、赤い光の刃が出現する。

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「おお! 凄い! 超かっけー!」
「フフフ。刃は魔法力で形成され、実体は柄の部分しか無いのデ、力の無いドールでも簡単に高い攻撃力ヲ、手に入れる事ができるヨ」
「ふむふむ。……でも僕さ、魔法力が無いんだよね」
「それを早く言えヨ!」
「すみません……」

 怒られてしまった。
 気を取り直して、あおとは他の武器を見る。

2013091510590000.jpg

「これは何ですか?」
「それはホープエッジだヨ。両手で装備するツインダガーだネ」
「へえ、ツインダガーかあ。値段は……げっ!」

 ホープエッジに付けられた値札を見てみると、5500ゴールドという値段が付いていた。
 今のあおとの所持金では、とても買えない代物だ。

「うーん……。あの、すみません」
「はイ、何でしょうカ?」
「僕は1500ゴールドしか持っていないんですが、これで買える装備は無いですか?」

 自分で選んでいると日が暮れそうだから、店を知り尽くしている店主に任せた方が、無難というものだろう。

「1500ゴールドですカ……ううむ。……でハ、これはどうでしょうカ?」

2013091511000000.jpg

 店主が持ってきたのは、やや小型の槍斧と盾だった。

「エルシオンハルバートとシールドのセットでス。攻撃力、防御力、共に10は上がりますヨ!」
「これでいくらですか?」
「二つのセット価格デ……1400ゴールドでス」
「1400ゴールド……。貯金がほぼパーか。――でも、買います!」
「毎度アリー!」

 あおとは、エルシオンハルバートとエルシオンシールドを購入した!

(これで残金は180ゴールドか。一時の金持ちだったなあ)
「武器や防具ハ、持っているだけでは意味がないですヨ? きちんと装備しないと駄目ですヨ!」
「初心者じゃないから大丈夫ですって!」
「そう言う中級者ほド、凡ミスをするもんでス!」

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 あおとは、店主の前で買った武器と防具を装備した。

「あまり高価な武器ではないかラ、壊れる確立もそこそこ高いヨ!」
「そういう事は買う前に言ってよ! ……ん?」

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「……? どうかしたノ?」
「あ、いや、これは何だろうって」

 店の隅に置いてあったアイテムを手に取る。

「それはカメラだヨ。昔はシャシンというものする事ができたらしいけド、今はそんな事もできないらしくテ、光を発する事しかできなイ」
「光を発する……ふうむ。これはちなみに、いくらなんですか?」
「100ゴールドだヨ」
「じゃあ、これも買います」
「毎度アリー!」

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 あおとは、カメラを購入した。
 装備も整えて、ようやくユズハとの待ち合わせ場所に向かえそうだ。


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2012/10/17 ドールデビュー!
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