起章15~vs.ユズハ~

 生まれた子供は二人――。
 男の子と女の子が一人ずつの双子――。
 女の子は生まれつき、体が弱く、一年も満たずして他界する――。

「そう、か……。俺のいない間にそんな事が……」

 コルドリープの効力は、およそ2年で解けた。
 悲しみの中にあるが、それはさらなる問題点の発見に消されてしまう。
 その問題点というのが、コルドリープの持続時間だ。
 みあは勇者に対して、約5年間の凍結ができるように計算し、コルドリープの魔法をかけたのだが、実際はその半分にも満たない時間で効力切れとなってしまう。

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「たった2年の凍結時間では、百年なんてまるで届かないな……」
「ごめんなさい。勇者様……」
「どうしたんだ、みあ? いきなり謝ってきても、何がなんだかわからないぞ」
「私、この2年間でコルドリープの事をもっとよく知ろうと思って、勉強していたんです。すると、効果の一つがわかってしまって……」
「その、効果と言うのは?」
「はい。コルドリープの負の効果の一つに、ある程度の年齢に達したドールには、その効果が薄くなるというものがあるんです」
「……って事は、俺が予定だと5年間の凍結をするはずだったのに、2年で効果切れになってしまった理由は、単純に俺に対するコルドリープの効果が薄くなっているからなのか」
「そういう事になります。恐らく、この魔法を開発した方も、ここまで長い期間の凍結をする事は考慮に入れてなかったのでしょうね」
「まあ、そりゃそうだよな……」
「コルドリープは、ヒールやアンチのような、確立された一般魔法とは違う、極めて不安定な古代魔法ですから、こういう事態や副作用も考えておくべきでした……」
「仕方がないよ、みあ。これは誰のせいでもない。こんな突拍子もない提案をしてしまった、俺にも非はあるわけだし……」

 二人が、百年のコルドリープ計画を諦めかけたその時、サクヤが二人の会話に割って入った。

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「ある程度の年齢に達したドールでは、効果が薄くなる。では、その一定年齢に達していないドールならば、コルドリープの力が最大限に働く、という事になりますね」
「え、ええ。でも、そんなドールが一体どこに……?」

 サクヤは、無言で指差した。
 その先にいたのは――。

「ま、待った、サクヤさん! こいつはまだ物心もついてるかわからないような子供なんだぞ」
「ですが、アークウエストの計画を阻止する為に、必要ならばやるべきなのではないですか?」
「そ、そりゃそうだが、何も子供にやらせなくたって……」
「サクヤさん。私のコルドリープは、いくら赤ん坊に近い子だからって、百年も効果が続くかもわからないんですよ。普通に考えれば、百年後に私達は生きてはいないし、この子を百年間の凍結にかけたからって、勇者としての使命に目覚めるという保障もありませんよ」
「勇者としての使命を伝え教える者が必要なのですね。……その役目、わたくしが引き受けます」

 そう言うと、サクヤは自身の魔法力を掌に集中し、光の塊を形作っていく。
 それは、サクヤが魔法力で具現化した物になっていく。

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「そ、それは一体……!?」
「これが、わたくしの具現化アイテム。魔法の懐中時計です」
「懐中時計?」
「はい。この懐中時計は、武器としての使用はできませんが、とある使い方が可能なのです。その効果とは、時を操る能力」
「……って事は、その能力を使ってコルドリープに似た事をしようっていうんだな!」
「半分正解の半分不正解ですね。この懐中時計の能力を使えば、確かにわずかながら他者の時間を止める事も可能ですが、せいぜい1秒が限度です。この時計、最大の効果は、わたくしの魔法力を全放出する事によって、未来へタイムワープが可能という事なのです――」

 こうして、サクヤの能力の手助けを受けた、コルドリープ計画が再スタートした。
 みあは、自分の息子にコルドリープをかけ、時間を凍結。
 サクヤは、懐中時計の効果を使い、未来へと飛んでいく。
 つまり、事実上でこれが、勇者とみあのいる時間からの最後の別れとなる。
「――ヒール」

 あおとはヒールの魔法を発動した!
 ベビードールパンサーの体力が回復した!

「……ガウ!」
「全く、ドラゴン相手に突っ走っちゃ駄目だぞ!」
「ガウ!」
「……へへ。お前、ガウガウって鳴くから、ガウって名前にしようかな」
「ガウ!」
「よし、今からお前の名前はガウだぞ」

 ――ガウが仲間に加わった。

「――さて、ユズハさんとドラゴンに再挑戦する約束だったわけだけど、もう倒しちゃったからどうしたもんか」
「ガウ?」
「とりあえず、スイートツーに戻って、ユズハさんを待つか。約束の日は明日だから、一日待ってればユズハさんも来るだろうしね!」
「――その必要はないっすよ」
「だ、誰だ!?」

 声がした方に振り向くと、そこにいたのは――。

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「その必要はないっすよ、あおと先輩」
「何だ、ユズハさんか。ユズハさんも予定より早くこっちに……」
 
 言い終わる前に、ユズハからその愛刀が突きつけられた。

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「……ユ、ユズハさん? 一体、何を!?」
「一体何を、っすか? 私達は元々敵同士なんすよ。こうなるのは別に不思議な事じゃないっす。……それに、あおと先輩は非常に危険な潜在能力を持っているっす。だから今ここで、あおと先輩は私が倒すっすよ」
「な、何を言ってるんだよ、急に! 確かに僕達は敵同士なのかもしれないけど、一緒にドラゴンと戦った仲間じゃないか!」
「……覚悟するっすよ、あおと先輩!」
「そっちがその気なら……僕だってタダではやられないぞ!」


 ユズハが戦闘をしかけてきた!
 あおとの先制攻撃!

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「行くぞ!」
(……!? 離れてからたった二日で、私の速度を超えたっすか。男子三日会わざるば――なんて言葉もあるっすけど、あおと先輩にドンピシャな言葉っすね)

 あおとの攻撃!
 ――ユズハに15のダメージ!

(そしてこのダメージ量。不味いっすね、嫌な予感が的中っす。今のあおと先輩は、私でさえも倒せるかわからないっす)

 ユズハの攻撃!
 ――あおとに10のダメージ!

「新しい技をお見舞いしてやるぞ!」
「むっ……!?」
「ライガの魔法だ!」
「そうは……させないっすよ!」

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 あおとはライガの魔法を発動した!
 ――ユズハの反撃!
 ――ユズハは音速斬り(反)を発動した!
 ――あおとに20のダメージ!
 ――あおとはひるんだ!

「くっ……!」
「音速の腐女子ユズハちゃんをなめるなよっす!」
(さすがユズハさんだ。音速斬りの速さは、いまだに追いつけないでいる……。音速斬りを封じる為には、何とかしてあの刀の装備を外さないといけないけど……。――そうだ!)

 あおとの攻撃!

「そうはいかないっすよ! あおと先輩には、音速の腐女子のマックススピードを体感してもらうっす!」

 ユズハの反撃!
 ユズハは音速斬り(反)を発動した!
 ――あおとに20のダメージ!

「――今だ!」

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 あおとの攻撃!
 ――あおとはナイフ投げを発動した!
 ――ナイフはユズハの武器へ当たり弾かれた!

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「私の大和撫子が……!」
「刀が無くなれば、音速斬りは使えないぞ!」
「……しまった!」

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 あおとの攻撃!
 ――あおとはライガの魔法を発動した! 雷撃がユズハを襲う!
 ――ユズハに60のダメージ!

「う、あああああっ……!」
「やった……!」


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Author:ピケ
2012/10/17 ドールデビュー!
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撮影は2014/7/18よりNikon COOLPIX P100を使用。

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