覇章2~小さな違和感~

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「――先生!」

 あおとは、久々に会うサクヤの姿を見て、少しだけ心に覆っていた雲が晴れた気がした。

「久しぶりですね、あおと君。とはいっても、別に何年も会っていなかったわけでもないんですから、久しぶりというのは正しくはないかもしれませんね」
「良いよ、そんな細かい事はさ。それよりもサクヤ先生に再会できたって事の嬉しさの方が、僕にとっては何倍も大切だよ」

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「そうですか、それは良かった。ああ、それはそうとフェイトさん……でしたね」
「はい」

 サクヤを前にして、フェイトは少しだけ緊張していた。
 あおとの先生という肩書きもそうだが、まるでアイドルにでも出会ったような。緊張といっても、あくまでもこの程度という事だ。

「あおと君に手紙を届けてくれて、どうもありがとうございます。有名な何でも屋であるフェイトさんに、こんな事を頼んでしまい、同時に申し訳ない気持ちもあります」
「あ、いえ、私自身があおとに会いたかったから……。それに今は何でも屋は休業中です」
「そうでしたか。いずれにしてもありがとうございます。――さて、立ち話も良いですが、そろそろ向かいましょう」
「ギムナジウム学園に行くの、サクヤ先生?」
「そうです。旅のレポートなども含めて、ゆっくりとお話を聞いてみたいのです――」

 こうして、アマシーネにて恩師であるサクヤと合流したあおとは、共にギムナジウム学園へと足を向ける。

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「――さて、あおと君。わたくしの目が離れている間に、どの程度の腕前向上をしたのか、野生のモンスターを相手に見せてもらいますよ」
「そ、そんな事を言われると、緊張しちゃって上手く戦えないよ……」
「大丈夫ですよ。君はきちんと戦闘経験を積み、確かな実力を得たはずです。そこにいるフェイトさんとの戦いや、西側のドールとの激闘は、決して裏切る事のないもののはずですよ」
「そ、そうかな、えへへ……」

 和気あいあいとした雰囲気だったが、フェイトはある種の違和感を覚えた。

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(――東側にいた時の戦いを知っているのならともかく、全く情報の届かない西側の戦いまで知っている。あおとが私の知らない間に連絡を取っていたから? 確かにその可能性はある。私があおとと離れていたのは、相当な時間だったのだから。でも――)

 頭の中に走った一抹の予感に納得をいかせる為、様々な可能性による思考を張り巡らせるフェイトだったが、確かな答えは見つけ出せないでいた。
 答えを見つけ出す以上に、フェイトが知らない事の方が多かったからでもある。

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「――どうしました、フェイトさん?」

 ふいに声をかけられ、思考の世界から戻された。

「あ、いえ、ちょっと考え事を……」
「そうでしたか。若いうちによく悩むのは良い事です。わたくしのように、年齢を積み重ねてしまうと、思考力も発想力も新しいものを生み出す事が難しくなりますからね」
「またまたあ、サクヤ先生は現役と言えるくらいに若いじゃないですか!」
「ふふふ。ありがとう、あおと君。……ふむ、そしてタイミング良くも、エンカウント発生のようですよ」


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 ・ドールナイトLv.2があらわれた!
 ・人形木槌Lv.2があらわれた!
 ・あおとの先制攻撃!

「レベル2って!?」
「よくある物語が進むと、雑魚モンスターも強くなって再登場するやつです」
「なるほど」
「いや、フェイトさんも納得しないでよっ!」

 ・あおとの攻撃!
 ――ドールナイトに20のダメージ!
 ――ドールナイトの反撃!
 ……ミス! あおとはひらりと身をかわした!

「うわっ、びっくりしたあ……。防御力も高くなっているし、反撃技までやってくるなんて」
「油断しないでいきましょうね」

 ・サクヤの攻撃!
 ――ドールナイトに15のダメージ!

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 ・ドールナイトの攻撃!
 ……ミス! サクヤは華麗に攻撃をかわした!

 ・人形木槌の攻撃!
 ――フェイトに30のダメージ!

「くっ……強いっ」
「大丈夫かい、フェイトさん!」
「あおと君、戦闘中ですよ。仲間を心配するのは良いですが、敵に背中を見せてはいけません。……それに、あの名高いフェイトさんが今の攻撃で気落ちするわけはありません」
「その通りだよ、あおと。この程度、過去の経験からすれば気にする事でもない」

 ・フェイトの攻撃!
 ――フェイトはサンダの魔法を発動した! 電撃がドールナイトを襲う!
 ――ドールナイトに30のダメージ!
 ……ドールナイトをやっつけた!

「ナイス、フェイトさん!」
「……戦闘力で抜かれてしまったけど、私だって意地を見せないとね!」
「ふむ。では後はわたくしが……」
「サクヤ先生?」

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 ・サクヤの攻撃!
 ――サクヤはナイフ投げの特技を発動した!
 ――ナイフは人形木槌の急所へ命中!
 ……人形木槌は息絶えた!


「す、凄い……」
「あんなに小さなナイフを投げて、一撃で急所に当てるなんて、かなりの技量があってこその技だよ」
「ふっ、何を言っているんですか? わたくしは先生ですよ。他者に教える身である以上、最低限の技術は備えていなくてどうするんですか?」
「なるほど。あおとのナイフ術が強いのは、この先生が教えていたからなんだ。……納得」
「ねっ、だからサクヤ先生は凄いんだよ!」
「そうだね、あおと」

 つい先程に抱いていた不安感は消えていたものの、フェイトは新しい要因を感じていた。
 それは、ずっと一人で活動してきたフェイトだからこそ、抱いたものなのかもしれない。
 圧倒的な信頼感を持ち、それを支える戦闘技術。
 だが逆にいえば、仮にも敵に回った時に、圧倒的な存在となるはずだという、うやむやながらも確信に近い何かだった――。


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2012/10/17 ドールデビュー!
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撮影は2014/7/18よりNikon COOLPIX P100を使用。

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