覇章13~燃えさかる学園~

 山村に来てから三日が経った。
 あおと達は村人達に何故か歓迎され、そのまま三日が経ってしまった形だ。
 サクヤは一体どういう理由があって、あおと達にこの山奥の村へ行くように指示したのか。
 その理由はいまだにわからぬままだった。
 ただ一つだけ。その村に住んでいたみうと仲良くなれたという点では、全くの収穫無し、というわけでもない。

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「――ガウガウッ!」

 彼女――みうは、動物達と会話ができる。
 それは生まれながらの特技なのか、あるいは魔法によるものなのかは不明だ。
 魔法というものに関して、あおと達がこの村で得たものもある。
 それは、この村がかつては魔法使いを輩出し、世の中の混乱と共に現れる勇者に追従させる者を育てていたという事。
 だが、その魔法使いの血統も何代か前に潰えてしまい、現在は魔法使いがいないという事。

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「サクヤ先生は、この村で魔法使いを仲間にしろって言いたかったのかな?」
「その可能性はあるとは思う。今の村の雰囲気を見るとそうは思えないけど、かつては有名な魔法使いを多く輩出していたみたいだし……」
「もうここでやる事は無いのかな。あまり長居しても悪いし、僕達はそろそろ学園に帰ろうか?」
「うん。それが良いと思う」

 という事で意見がまとまり、その旨を村長に伝えようと立ち上がった時、それもよりも早くみうがパッと飛び立ち上がった。
 飛び立ち上がった。と形容するのが事実上で近しく、あおと達の視線はみうへと注がれた。

「どうしたの、みうさん?」

 一応、みうはあおと、フェイトの二人よりも一つ年上なのだ。

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「嫌な匂いがする。何かが焼ける匂い……」

 あおと達も嗅覚を集中させ、その焼ける匂いというのを感じ取ろうとしてみるが、何もおかしな匂いは感じられなかった。
 しかし、みうの表情は真剣であり、それが決して冗談ではない事をわからせた。

「山火事かな? いずれにしても様子を見に行くべきかもしれないね。みうさん、その匂いの場所はわかりそう?」
「うん、わかるよ。……でも、山火事じゃないかもしれないよ。木が燃える匂いというよりも……」
「……。わかった。詳しい話は後にしよう。今はその場所まで案内してください!」

 あおと、フェイトの二人は、みうの後に従い、その匂いの元へと移動を開始した。
 だがこれが、二人に待ち受ける激しい戦いの口火だとは知らずに――。

 行き道は進むのも難儀するような森林だったが、さすがは地元の少女というべきか、みうの後に続くと不思議と簡単に思えてしまう。
 一応、山火事も想定して注意はしていたものの、どうやらその心配は外れのようだった。
 徐々に山から下りていくと、あおと達にも何かが焼ける匂い――焦げる匂いとも――が鼻をついてきた。
 そしてその匂いの元は、あおと達がよく知った方角からのものだった。

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「あおと。私の見方が正しければ、これは……」
「うん。これはギムナジウム学園からのものかもしれない……っ」

 実はあおとは薄々感づいてもいた。
 ただ、その嫌な予感というものを口には出したくなかったのだ。
 それに、仮にもギムナジウム学園に何かがあったとしても、学園には頼れる自身の先生であるサクヤがいる。
 ――だから決して大事にはなっていないはずだ――。
 あおとの甘えだったのかもしれない。
 しかし、少しずつ近づいてくるギムナジウム学園の様子を見るにあたり、その甘えは致命的な甘えだった事に気がつかされた。

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「こ、これは……」

 あおとにフェイト、それにみうだって絶句するしかなかった。
 三人の視界に捉えたものは、真っ赤な炎に包まれるギムナジウム学園そのものだったからだ。

「な、何がどうなっているんだっ!? みんなはっ? 先生はっ?」

 誰よりも早く、あおとは学園に向かって走り出す。
 それを制止するように、フェイトが声をかけた。

「待って、あおと! 何があるかわからないっ、危険だ!」

 その制止は、今のあおとには届かない。

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「あそこには……友達がいるんだっ、先生がいるんだっ!」

 それだけを告げ、電光石火の速さで、あおとは炎に包まれるギムナジウム学園へと飲まれていくのだった――。


拍手コメント返信です。

>ななしさんへ

拍手コメントありがとうございます!
私もターンエーガンダムはかっこいいと思える派です。
確かに一般的なガンダムデザインからすると、ある種異端である事は認めなければいけませんけどね。
ガンダムだけでなく巨大ロボットというものは、ローアングルからの撮影が良い感じかもしれません。
その巨大ゆえの迫力というものはロボットならではの持っている魅力です!
私もお台場のガンダムは一度だけ見に行った事がありますが、もう一度くらいは見たいですね。
等身大ガンダムだけでなく、ザクとかも作ってもらいたいですけど。

アメリカゴジラはなんだかんだと見れなかったです…。
BDで発売するのを待ちの状態ですよ。


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