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覇章14~嘘だと言ってよ、先生~

 炎に包まれるギムナジウム学園。
 そこには学園の生徒、あるいは先生が見えるだけでも数人は倒れていた。

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「酷い……誰がこんな事をっ……」

 先にたどり着いたあおとは、その惨状に絶句した。
 そして、この惨状を演出した犯人に対して並々ならぬ怒りを抱いた。
 倒れている生徒に近づくと、運良く、とは言うべきなのか、かろうじて息がある者も発見する。

「しっかり、しっかりするんだ!」
「うう……」
「一体どうしたのっ? 誰にやられたのかわかるっ?」

 怒りの感情のままに、あおとは生徒に一方的な言葉を投げかける。
 その生徒はあおとの言葉を億劫に感じたのか、一際大きな呻き声をあげる。

「…………二人」
「えっ、二人?」
「さ、く……」

 生徒はそこまで喋ると、そっと口を塞がれた。
 塞いだのはあおとではない。
 あおとの視界の外からだった。

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「――もう、楽にしてあげましょう」

 唐突に耳に入った声は、とても聞き慣れた声だった。
 事実、その聞き慣れた声という、あおとの中での答え合わせは当たっていたのだ。

「……サクヤ先生」
「よく無事でいましたね、あおと君」
「それはこっちの台詞ですよ、サクヤ先生。……一体、何があったんですかっ?」
「……それに答える前に、今は無事な方々を救出する事が先決ではないでしょうか」
「……確かに。じゃあ、僕はあっちを見ますから、サクヤ先生は――」

 言い終わるのと同時か、あるいは少し早く、あおとに向かって風を切り進むモノがあった。
 ――だが、あおとはそれに気がつき、ギリギリの所でソレを回避する。
 惨状の犯人による攻撃か。
 それが真実ならばどんなに気が楽だっただろう。
 そのモノは、ほんの数秒前まであおとがいた場所、その地面に突き刺さっていた。
 そしてその突き刺さっていたモノというのは――ナイフだった。

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「ほう、よく避けましたね。わたくしの教えた戦闘訓練の数々は、決して無駄ではなかったようです」
「そこにいた子のおかげですよ。その子が最後に言おうとした言葉と、タイミング良く現れたサクヤ先生。……僕は確かにおバカかもしれませんけど、サクヤ先生にかつて教えてもらった洞察は磨いてきたつもりです」
「……素晴らしい回答です」

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 炎に包まれるギムナジウム学園には、かつての先生と生徒が相対していた――。
「――山奥の村では、何かありましたか?」
「えっ……?」

 この一触即発な状況下で、サクヤは一言そう呟いた。

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「別になにも」

 あおとも一言で返す。
 山村での事を隠しているわけではない。
 今この状態である為に、忘れているという方が正しい。
 師匠であり先生である者に、不意打ち気味にナイフを投げつけられ、平然としている方がどうかしている。

「……そうですか」
「い、一体それが何だっていうんですか? 今はそれよりも、僕はサクヤ先生に聞きたい事がある!」

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 返事はしなかったが、サクヤは「どうぞ」とでも言いたげに、非常に堂々とした態度をあおとに見せつける。
 あおとは汗をかいていた。
 それは周りが炎に包まれているからではない。
 自身の先生に対して抱いていた、底知れない何か――。
 その何かが、自分自身に向けられている事に対する冷や汗だ。

「……っ、これは、先生の仕業なんですかっ?」

 違う。あおとは、その一言がほしかった。
 だが現実は、そんな簡単に事を運んではくれない。

「……はい」
「……どうしてっ!」
「わたくしは……。わたくしは、西側のドールであり、四天王の一人であるからです」
「えっ……?」

 その言葉に耳を疑わない奴はいない。
 どうしてサクヤが西側のドールで、四天王の一人だというのだろうか。

「――とはいっても、この事態を引き起こしたのは何もわたくし一人ではありませんよ。同じ四天王の一人と共に起こしました」
「同じ四天王の一人……。という事は」

 ――今この場に、四天王は二人いる――。

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「……嘘だと言ってよ、先生。先生は学園をめちゃくちゃにした西側四天王と戦う為にここにいるんだよねっ!?」
「残念ながら、わたくしの言った事は全て真実ですよ。そして……わたくしが口にした言葉は、その全てが真実であると考えておいてください」
「嘘だ……嘘だっ……嘘だっああぁぁぁっ……!」

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「――いいえ。真実です」


炎に包まれている演出として、画像を赤に加工しようとしたのですが、ずっと見ていると気持ちが悪くなってきたので通常の撮影に戻しました。

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2012/10/17 ドールデビュー!
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撮影は2014/7/18よりNikon COOLPIX P100を使用。

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